どうも、ばやし@bayashimuraです。
今日はエンジニア組織で行われている輪読会について紹介していこうと思います。
フォースタでの輪読会
フォースタでは週に一回一時間、業務時間内に輪読会をやっています。かれこれ2年ほど続いており、エンジニアのスキルアップに寄与しています。
これまでに以下の本を読んできました。
- UNIXの考え方
- Rubyで作るRuby
- プロダクトマネジメント -ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける
- 2020年版 スクラムガイド
- SQLアンチパターン
- 入門 監視
- 体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方 脆弱性が生まれる原理と対策の実践
特徴としてはプロダクトマネジメントの本から監視の本まで幅広く読んでいるところでしょうか。うちのフルサイクルな開発を行っている特徴が出ていますね。フルサイクルな開発スタイルに関しては手前味噌ですがこちらのスライドでご紹介しております。
目的
輪読会をやる目的として3つあります。
- メンバーのスキルレベルアップ
- 共通言語を作る
- チーム間の交流
メンバーのスキルレベルアップ
エンジニアという職種は、常にキャッチアップが求められる職種です。そのため現状の開発をずっと続けていくだけでは、どこかで限界が来てしまいます。キャッチアップに関して「プライベートでやってね」でもいいのですが、小さなお子さんがいるなど色々な理由でプライベートではキャッチアップ出来ないことも踏まえ業務時間をスキルアップに投資しています。また一人で読むよりも複数人で同じ本を読むことで、自分が理解出来なかったことを聞いたり、逆に聞かれて教えたりすることで理解が深まる建設的相互作用が働くことを期待しています。
共通認識を作る
もう一つの目的として、みんなで同じ本を読み同じ知識を共有することで組織の共通認識になることを狙っています。共通認識を作ることで、スピーディな議論や意思決定ができます。例えばうちのチームでテーブル設計の議論をしている際に以下のような会話が出てきます。
「それってSQLアンチパターンで出てこなかったっけ?」
「あ〜確かに。SQLアンチパターンの〜に当てはまりそう。しかも書いてあったリスクもろかぶりしそうですね。ちょっと考え直します」
テーブル構造に問題を見つけた人が、どういう構造的問題があるか、それによってどういうデメリットやリスクがあるかを一々説明しなくてもSQLアンチパターンの〜ですね、で会話が通じます。スピーディ。
チーム間の交流
フォースタは大きく分けてSTARTUP DBチームとタレントエージェンシープロダクトチームの2チームが存在します。輪読会はチーム関係なくみんなが参加します。日常業務ではそこまで交流がないため、お互いの知識が交換されるタイミングが少ないのですが、こういった輪読会を行うことで交流が発生するようにやっています。お互いのプロダクトの本に該当しそうな部分を紹介することで、お互いのプロダクト理解にも繋がります。
やり方
本の選び方
各々読みたい本を持ってきて「読みたい本紹介バトル」をします。
ルールはビブリオバトルと同じです。読みたい本紹介バトルは推薦人も読んでないケースが多いので「何故読みたいか」を熱く語ります。
例えば以下のような感じです。
「今我々はマイクロサービスでやっているが、マイクロサービスに対しての理解が各人でばらつきがある。ここはSam Newmanの『マイクロサービスアーキテクチャ』を輪読したい」
「先程の紹介ではSam Newmanのマイクロサービスアーキテクチャを紹介していたが、単純にマイクロサービスアーキテクチャをおすすめするだけではない(ってレビューで書いてあった)『モノリスからマイクロサービスへ』を読みたい」
「メンバーも増えてきて知識のベースラインを揃えていきたい。ここは『体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方』を輪読しよう」
こういった紹介をみんなで行いその後投票し、一番票が集まった本を読みます。
読み進め方
輪読会までにみんなで1章分くらい読んできます。以前は「みんなどうせ事前に読んでこないだろ」と思い、最初の30分をみんなで本を読む時間に当てていました。しかし参加メンバから「もっと議論する時間が欲しい」という意見が上がり、事前に読んでくる今のスタイルになりました。
その後チームに分かれチーム内で色々議論します。チームを分ける理由としては
- 人数が多くなると発言する人が偏る
- 「自分こんなこともわかってないことみんなにバレたくない」を抑止する
みたいな感じです。みんなが発言できるワイワイ感が出るのは、今のうちの組織だと5人くらいが丁度良さそうという感覚を持っています。
またチームの分け方も出来るだけパーソナルな面が出るような質問で分けてたりします。例えばこれまででは以下のような質問をしました。
「本を読むときは 『電子書籍派』or『紙派』」
「北海道行ったこと 『ある』or 『ない』」
前述の通り輪読会は数少ないチーム同士の交流の場であり、そこでお互いの人間性を知り共通の話題を得ることを目的にしています。ただパーソナルな部分は出てほしいのですが、そこに抵抗感や本気の対立が生じると不本意なので、出来るだけ会話に繋がりやすくかつ軽いテーマを考えるのに毎回一苦労です。
議論の進め方は基本的にその時その場で作られたチームによって違いますが、大体は「染みた一文」や「疑問に思ったところ」を会話のきっかけに40分くらい話します。過去のプロジェクト、今やってるプロダクトの話、最近twitterで見た話など、横道にそれるのは大歓迎です。みんなの中にある知識、疑問が表出するのも輪読会の良いところだと思っています。
議論中はファシリテータがファシリしながら話した内容をnotionにまとめます。みんなで勝手に修正したりもします。話したあとは、各チーム集まりチームの中で話した内容を共有します。こんな感じでちょっとずつ読み進めていきます。
本の分量にもよりますが、大体2,3ヶ月に1冊読み終わります。読み終わったらまた本の紹介バトルが始まります。
以上、フォースタの輪読会の紹介でした。
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