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このブログのデザインを刷新しました。(2023/12/26)

スプリントレトロスペクティブ本来の目的とは?初めてファシリをやって体感した「難しさ」と「学び」

こんにちは、2022年4月にフォースタートアップスにジョインしたエンジニアの八巻(@hachimaki37)です。主に社内向けプロダクト「タレントエージェンシー支援システム(SFA/CRM)」のシステム開発を担当しております。

今回は、スクラムのイベントの一つである「スプリントレトロスペクティブ(以下、レトロスペクティブ)」について書いていきたいと思います。

早速ですが、レトロスペクティブをやっていて、こんなこと思ったことありませんか?

  • 最近なんとなくやってるなー
  • テーマを出したいけど、これで大丈夫かな..(迷う..)
  • TRY実行してるけど、何が改善されたんだ?
  • チームで議論すべきテーマってこれでいいの?
  • ふりかえりやだなぁ..

みたいな・・

ぜひこの機会に1つ考えて頂きたいことがございます。 それは、「あなたは、なぜレトロスペクティブ(ふりかえり)を行っていますか?

そんな「なぜ」を解消する内容にしてみました。

レトロスペクティブとは?

スクラムチームは、個人、相互作用、プロセス、ツール、完成の定義に関して、今回のスプリントがどのように進んだかを検査する。多くの場合、検査する要素は作業領域によって異なる。 スクラムチームを迷わせた仮説があれば特定し、その真因を探求する。スクラムチームは、スプリント中に何がうまくいったか、どのような問題が発生したか、そしてそれらの問題がどの ように解決されたか(または解決されなかったか)について話し合う。

スクラムチームは、自分たちの効果を改善するために最も役立つ変更を特定する。最も影響の大きな改善は、できるだけ早く対処する。次のスプリントのスプリントバックログに追加することもできる。 スプリントレトロスペクティブをもってスプリントは終了する。スプリントが1か月の場合、スプリントレトロスペクティブは最大 3 時間である。スプリントの期間が短ければ、スプリントレトロスペクティブの時間も短くすることが多い。

引用元:スクラムガイド

これを読んで考えたことは、「スプリント中に何がうまくいったか、どのような問題が発生したか、そしてそれらの問題がどのように解決されたか(または解決されなかったか)について話し合う」ことはあくまで手段であり、「自分たちの効果を改善するために最も役立つ変更を特定する」ことが最も重要だということです。

後述しておりますが、当初私が考えていた重要なことは、「スプリントであった出来事を整理し、チームの課題を改善すること」でした。ここに大きなギャップがありました。

所属チームのふりかえり手法と決め方について

所属チームでは、2週間のスプリント最終日にレトロスペクティブを開催し、経験年数に関わらずサイコロを使いランダムにファシリテーターを決めています。ファシリテーターに決まった方は、自身でふりかえり手法や段取りを考え実施します。

当社のレトロスペクティブの歴史としては、特定のファシリテーターがおり、基本的にKPTにてふりかえりを行っていたみたいですが、日々改善される中で今の形へと変わっていきました。

実施したレトロスペクティブの紹介

デイリーハッスル

デイリーハッスルは、「日常の慢性的なわずらわしい出来事を解消していくふりかえり手法」です。ストレスマネジメントの権威であるLazarusとFolkmanが1980年代に提唱した概念で、ストレス心理学におけるストレッサーの区分モデルのひとつです。

ラクティスとしてのデイリーハッスルは、この記事を参考に実施させていただきました。

引用元:ふりかえり手法のおもちゃばこ(前編)

  • 実施結果

Time Line

Time Lineは、「事実と感情の両方を合わせて書き出していき、全員で共有するふりかえり手法」です。書き出した事実を時系列に並び替え共有することで、チームの持つ情報を整理し、カイゼンのためのアイデアを出しやすくします。

  • 実施結果

工夫したこと

チーム状況に合った手法を選択

  • デイリーハッスルをやった時期は、新しいメンバーが加わったこともあり、身の回りの問題に焦点を当てられるふりかえり手法を選択しました。また合わせてメンバーの価値観(どんな場面でデイリーハッスルを感じるのか)を共有できるチャンスでもあったため、目的に加えて実施しました。
  • Time Lineを行った週は、イベントが多いスプリントであったため、日々やったことをチームで整理できるふりかえり手法が良いかと考え、Time Lineを実施しました。

Notionを活用

チーム内に出社組・リモート組がいたため、場所に囚われないようNotionを活用しました。ホワイトボードを活用する機会が多かったですが、ふりかえり手法によってはNotionも使用可能だと成功体験を得ることができました。

付箋の色分け

Time Lineを行う際に、付箋の色を分けたことで「事実」と「感情」の判別がしやすくなり、スムーズな進行が可能になりました。

体感した「難しさ」と「学び」

議論すべきテーマの選択

ふりかえりの議論となったテーマが、チームに対する共有事項であったり、影響範囲がチーム外の事柄、個々人によりすぎたテーマとなってしまいました。良し悪しというよりは、何のためにレトロスペクティブをやるべきなのか?を考えるきっかけになりました。

本当にそのTRYでProblemを解消出来るのか

つまり、TRYの精度です。TRYのアイディアが出されるも「本当にProblemを解消出来るTRYになっているのか?」を考えすぎてしまいました。正直やってみないことには何もスタートしません。そのため「決めたTRYを実行し、改善を繰り返す」という目線に変え、TRYを決めていきました。

レトロスペクティブの目的とは?

私が考えていたレトロスペクティブの意義

  • チーム課題を改善すること?
  • チームで洗い出したProblemを改善すること?
  • スプリントであったことを整理すること?
  • スプリントをふりかえること?
  • チームで決めたTRYを実行すること?
  • ...

私が考えていたレトロスペクティブの目的(意義)は、「スプリントであった出来事を整理し、チームの課題を改善すること」だと考えていました。しかし、スクラムガイドを再読した際に、レトロスペクティブ本来の目的を理解していなかったことに気づきました。

レトロスペクティブ本来の目的

スプリントレトロスペクティブの目的は、「品質と効果を高める方法を計画すること」である。

引用元:スクラムガイド

つまり、「チームがもっと効率を高めることができるTRYを計画できたか」です。

重要なファクター

スクラムガイドでは、以下2点が重要であると述べられているように思います。

  1. スプリント中に何がうまくいったか、どのような問題が発生したか、そしてそれらの問題がどのように解決されたか(または解決されなかったか)について話し合う。 ◯所属チームは、現状できている
  2. 自分たちの効果を改善するために最も役立つ変更を特定する。 ✖️所属チームは、現状できていない

これらを通して思ったことは、目的を意識することが大切だということです。「目的を理解していない = いつまでたってもゴールにたどり着くことはできない」。つまり、品質と効果を高められるTRYを計画できるにはほど遠いという事実を知ったことが、今回感じた最大の学びでした。

今回得た学びを実践した結果をふりかえる

今回の学びを通じて、個人的に決めた3つのTRYを実行してみました(3に関しては、時間の都合でできず..次回のTryとして実施していきたいと思います)

  1. レトロスペクティブの目的をチームへ周知する
  2. 自分たちの効果を改善するために最も役立つであろう変更を議論のテーマとする
  3. 品質と効果を高められるTRYを計画できたかをふかりえり後にチームに確認する

まず1に関しては、事前にタイムスケジュールを組み、レトロスペクティブ開始前に実施しました。やったことは、今回得た知見をチームへアウトプットするといった内容です。

共有自体はさほど難しいことではありませんが、やはり最大の課題は2の「最も役立つであろう変更を議論のテーマとする」ことでした。一人3票、議論したいテーマに各々投票する形式にしましたが、普段よりも投票に時間がかかった印象でした。チームとして、何を改善(議論のテーマと)すれば、「チーム効率がもっと高まるのか」を考える必要があるため、いつもよりも俯瞰的に物事をみる必要があったかと思います。

ご参考までに今回議論となったテーマです。

  • 朝会の運用をもう少し改善できないか?
  • 開発途中で仕様変わってない?

改善活動1回目のふりかえりの場でしたので、新たな思考のきっかけを今回作れたのではないかと思っております。引き続き継続していきます。

まとめ

Q1. レトロスペクティブ(ふりかえり)の目的は?

A.「品質と効果を高める方法を計画する」ことです。

Q2. レトロスペクティブ(ふりかえり)では、どんな議論をすべきか?

A.「スプリント中に何がうまくいったか、どのような問題が発生したか、そしてそれらの問題がどのように解決されたか(または解決されなかったか)について話し合うこと」です。

Q3. その理由はなぜか??

A.「自分たちの効果を改善するために最も役立つ変更を特定する」ためです。つまり「チームがもっと効率を高めることができるTRYを計画する」ために必要なファクターなのです。

あとがき

当社開発チームは、現在2つのチームで開発を行っています。今回ブログを執筆する前に共通のLT会でレトロスペクティブに関する発表をさせて頂きました。

所属チームは、2週間のスプリント最終日にふりかえりを行い、改善活動を行なっています。

良いスプリントだったとふりかえることもあれば、改善多数とふりかえることもあります。さまざまな変数があるかとは思いますが、効率を高められた!良いTRYが実行できた!素敵な価値をユーザへ提供できた!というようなポジティブな状態をチームで作っていけるよう、日々の改善活動を継続して行なっていきたいと思います。

最後に採用情報です。

当社では、まだまだ採用募集中です。ぜひご一緒に良い組織・チームを作っていきませんか。 ご興味ありましたらぜひ一度カジュアルにお話できたらと思います。

採用ページはこちら。(冒頭のTwitterにDM頂いてもOKです!)