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このブログのデザインを刷新しました。(2023/12/26)

便利な言葉『多分』 曖昧さが生む可能性とリスク

目次

はじめに

こんにちは!フォースタートアップス株式会社のエンジニアの山崎です。 私たちの日常会話や仕事の場面で、無意識に使っている「多分」という言葉。この言葉には曖昧さや柔軟性を含む一方で、意外なリスクも含んでいます。

記事の目的と背景

この記事では、「多分」という言葉の心理的背景、使いすぎることで生じるリスク、そして改善方法について考察します。この記事のテーマを取り上げたきっかけは、周囲の人から「多分」が口癖になっていると指摘を受けたことでした。その際、「多分」を多用することで相手を不快にさせたり、ネガティブな影響を与えていないかと気になり、自分自身の言葉遣いを振り返るきっかけになりました。そして、このプロセスの中で「多分」という言葉の利便性とリスクについて深く考える機会を得ました。「多分」を適切に使いこなすことで、コミュニケーションをより信頼性の高いものにするヒントをお届けします。

対象の読者
  • コミュニケーションの改善に関心がある方
  • 職場での信頼性を高めたいと考えている方
  • 曖昧な表現を減らしたいと感じている方

「多分」を使う心理的理由

「多分」を使う理由には、いくつかの心理的要因が関わっています。

自信の欠如

十分な情報が揃っていない状況では、「多分」を使って正確性を保とうとする心理が働きます。また、自分の意見に自信がないため曖昧な表現を選び、批判を回避する傾向があります。

相手への配慮

会話の調和を重視し、「多分」を使うことで柔らかい印象を与えます。相手の意見を尊重し、断定を避けることで対立を防ぐ目的があります。

柔軟性と曖昧さの許容

曖昧な表現を使うことで、変化に対応しやすくなり、心理的余裕を感じることができます。グレーゾーンを維持することで、過度に限定された発言を避ける効果もあります。

「多分」が生むリスク

便利に思える「多分」ですが、使いすぎると次のようなリスクが生じます。

信頼性への影響

明確な意見や事実が求められる場面で「多分」を多用すると、発言の信頼性が低下する可能性があります。結果として、聞き手からの信頼を失うリスクがあります。

曖昧なコミュニケーション

「多分」が含む曖昧さは、聞き手に具体的なアクションを取りにくくさせ、誤解を招く恐れがあります。

意思決定の遅延

曖昧な情報が判断を先延ばしにし、チームやプロジェクトの進行に悪影響を及ぼすことがあります。

「多分」に頼らないための方法

「多分」に頼りすぎないための具体的なアプローチを以下に挙げます。

事前準備を徹底する

問題やテーマについて十分に調査し、具体的なデータや根拠を用意することで、曖昧な表現を避けられます。また、質問や議論の展開を予測してシナリオを想定することも効果的です。

言葉の置き換え

「可能性としては高いです」や「現時点では問題ありません」といった具体的な表現を使うことで、曖昧な「印象」を抑えることができます。また、「おそらく」や「推測ですが」などの丁寧な表現で誠実な印象を与える工夫も有効です。

回答を保留して精査する

即時回答を避け、正確性を重視する姿勢が重要です。「現時点では明確な情報がないため、確認してから回答します」といった言い方で、慎重な対応を選択できます。

フィードバックを活用

発言後に周囲からのフィードバックを積極的にもらい、曖昧な表現を特定します。改善のヒントを得ることで、「多分」の使い方を意識的にコントロール可能です。

自分に自信を持つ

不安な気持ちが曖昧な表現を生む原因になることがあります。そのため、自分の意見や判断を信じ、明確に表現する意識を持つことが大切です。

「多分」の使いどころ

「多分」はすべての場面で避けるべきではなく、適切に活用することが求められます。

活用すべき場面
  • 初期段階のアイデア出し:不確実な状況で自由な発想を促すため
  • チーム間の意見交換:対立を避けつつ柔軟なアイデアを共有したいとき

避けるべき場面
  • 重要な意思決定が要求される場面:プレゼンや交渉など信頼性と具体性が必要な状況

まとめ

「多分」という言葉は、日常生活や仕事の場面で多くの人が使う便利な表現です。しかし、その利便性の裏にはリスクも存在します。「多分」の特性を理解し、適切に活用するためのポイントを振り返ります。

「多分」の利便性とリスクを理解する

心理的安全性を提供する一方で、使いすぎると信頼を損なう可能性があります。 曖昧さを許容することでその場の雰囲気を和らげることもできますが、使いすぎると発言の信頼性が低下する可能性があります。「多分」は便利な表現ですが、場面に応じた適切な使い分けが重要です。

適切な場面での使用を心がける

重要な意思決定の場面では明確さを優先し、曖昧さが効果的な場面では柔軟性を活かしましょう。

改善に向けた行動を実践する

具体的な方法を取り入れ、「多分」の使用を意識的にコントロールすることで、信頼性の高いコミュニケーションを目指せます。

おわりに

「多分」という言葉の利便性とリスクを深く理解することで、コミュニケーションの質を向上させることができます。この記事を参考に、日常や仕事の場面で「多分」と上手に向き合い、信頼性と柔軟性のバランスを取った表現を心がけてみてください。

この記事の内容をスライド資料版としてもまとめています。 気になる方はご覧ください。

参考資料