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このブログのデザインを刷新しました。(2023/12/26)

【フォースタ テックブログ】社内で実践中!ふりかえりを続けるためのコツ

どうもむらばやし(@bayashimura)です。皆さん「ふりかえり」してますか?ふりかえり挫折しますよね?今回は挫折しがちなふりかえりを続けるためのコツを書いていきます。

この記事は技術書典10で発売された『forstartups tech book 1』のふりかえり再入門から抜粋、一部加筆しております

techbookfest.org

まだみんな前のめりじゃない時にファシリテータを交代制にしない

ファシリテータを一人がやり続けることは、大抵の場合アンチパターンとして捉えられがちです。私もふりかえりのファシリテータがずっと固定されていることには否定的です。しかし物事を新しく始める時に誰か一人、それも情熱を持っている人が引っ張っていくのは大事なことです。

早期にファシリテータを交代制にすることは、ふりかえりにモチベーションもオーナーシップもない人間がファシリテータをやらされることに繋がります。その結果ふりかえりのクオリティは下がったり、もしかしたら開催されないかもしれません。

ふりかえりをこれから始める方、途絶してしまっていたけど再びやろうとしている方はまずあなたが続けるところから始めましょう。あなたが会議を設定し、あなたがチームメンバーを呼び寄せ、あなたがファシリテーションして、あなたがメンバーからのフィードバックをもらいましょう。そういった日々を積み重ね、チームがふりかえりに前のめりになってきた時に初めてファシリテータを譲りましょう。それまではファシリテータを交代制にするのはおすすめしません。

一定のリズムで行う

先に時間を押さえましょう。もしスクラム開発をしているのであれば、スプリントの最後の時間などがいいかもしれません。そうではない方々も、1週間に1回や2週間に1回などの固定の時間を取りましょう。すぐ埋まる会議室を押さえ多忙なチームメンバーのスケジュールを押さえるのにこれだけ簡単な方法はありません。

誰かが思いついた時や開発の節目など固定でないタイミングで行うことは、ふりかえりを開催するハードルを上げます。開催の日時に融通が聞かせられてしまうため、全員が参加できるタイミングをファシリテータが調整する羽目になり労力がかかります。ファシリテータがスケジュールを調整するのではなく、参加者がスケジュールを調整する方向に仕向けることで負荷が分散し継続して開催される可能性が高くなります。

色々なふりかえり手法を試してみる

ふりかえりの種類はたくさんあります。またその性質もそれぞれ違います。チームをポジティブにするふりかえり。チームの問題を発見するふりかえり。チームの目線を合わせるふりかえり。色々なふりかえりを試すことで、チームはふりかえりの多様性を実感します。そうなると次のふりかえりを試したくなり、チームはふりかえりに前のめりになります。そのうちチームメンバーが新しいふりかえり手法を提案してくるかもしれません。もうふりかえりはチームに浸透しましたね。

厳しさより楽しさを重視する

ふりかえりは、その性質上、チームに発生した目を向けたくないような事実に目を向けます。そのため反省会や責任の押し付け合いみたいになりがちで、ふりかえりが嫌な行事に思えてきます。
またふりかえりは「チームの悪いところを直す」という方向に向きがちですが、過度な解決思考は良く言えばチームの規律を正しますが、悪く言えば息苦しく高圧的な雰囲気を生みます。

ふりかえりでチームのマインドをポジティブな方向に仕向けましょう。「このチームの凄いところはどこですか? 」「このスプリントのヒーローは?」 褒められて嫌な人はいません。気恥ずかしいし、自己啓発臭くて嫌かもしれませんが一度やってみましょう。

ネガティブなフィードバックの倍のポジティブなフィードバックを言いましょう。面白いジョークを言いましょう(面白くないのはダメです)。ダメダメな自分たちがちょっとでもマシになるためのアイディアではなくグレートな自分たちが更にグレートになるためには何をしたらいいかを考えましょう。そうすることでチームはポジティブになり、ふりかえりの場が盛り上がります。もうふりかえりを楽しみに一週間を過ごすチームの出来上がりです。

ふりかえりをふりかえる

ふりかえりをしていると白熱して時間を使い切ってしまいがちですが、最後に5分くらい残しておきましょう。そこでふりかえり自体をふりかえることをおすすめします。

何故『ふりかえりをふりかえる』ことで『ふりかえりが継続できる』かというと、ふりかえりを推進している人は孤独で不安です。まだチームにふりかえりが定着していない時などは尚更です。みんなの貴重な時間を使ってふりかえりが盛り上がらない時、次のふりかえりを設定することはみんな の邪魔になるんじゃないかという思いがよぎります。

そんなときは何が必要でしょうか。フィードバックです。参加者は顔に表しませんが、とても有意義だったと思っているかもしれません。ふりかえりのふりかえりで参加者がどう思っていたかを 引き出します。フィードバックを貰えれば後に繋げるのは簡単です。良いフィードバックを貰えれ ば続ければいいし、良くないフィードバックが集まればやり方を変えましょう。どう変えればいいかもフィードバックの内容に含まれているはずです。

ふりかえりが毎回盛り上がりすぎて時間がない場合(タイムマネジメント頑張って!)は、会議室の出口に楽しさと 役立ち度合いの2軸のグラフを作りそこに一言とともに付箋紙を貼ってもらう方法があります。また会議が終わったあとに、slack でコメントを求めてもいいでしょう。どんな方法でも良いです。 フィードバックをもらいましょう。それがふりかえりをすすめる人の活力になります。

早いうちにふりかえりの効果をチームに実感してもらう

チームを巻き込む以上、そしてチームが合理的な時間の使い方を求める以上、あまり効果が感じられない会議体は自然となくなっていきます。つまり、ふりかえりを継続する上で大事なことは「チームのみんなにふりかえりの効果を実感してもらう」ことになります。早いうちにふりかえりの効果をチームに実感してもらいましょう。

もしあなたがふりかえりのファシリテートに自信がない場合は、時間をとってしっかりと準備をしましょう。もしくは近くにふりかえりのファシリテートに長けている人がいれば最初のうちはその人にお願いしましょう。これは身も蓋もない言い方になってしまいますが、ふりかえりの価値を知らないチームメイトはあなたの成長を待ってはくれません。最初のうちは持続的なやり方でなくても良いので、まず価値を感じてもらい、そこからチームメイトと一緒に歩んでいくのがオススメです。

 

今回はふりかえりを続けるコツについて書きました。
先月発売した技術書典の同人誌の方ではふりかえりの型などに関しても書いているため、ご興味があれば是非読んでみてください!

また、フォースタートアップスではエンジニアを募集中です!
ふりかえりをして成長していくチームで働きたい方は是非ご応募ください!