こんにちは、村林(@bayashimura)です。5月からフォースタートアップス にジョインした新参者です。前職ではSIerで社内向けアジャイルコーチをやっていました。
今日は私からフォースタートアップスの組織の話をさせていただきます。
現在のエンジニア組織体制について
フォースタートアップスでは「for Startups」というビジョンのもと、成長産業支援事業を推進するために現在積極採用中で、エンジニアの数も拡大中です。今後この流れはますます加速していく予定です。
フォースタートアップスにはテックラボというクリエイティブチームがあります。
このテックラボが私も所属するプロダクトを作るチームです。
今は大きく2つのチーム、スタートアップの魅力を世に発信するSTARTUP DBチームとタレントエージェンシー支援システム(SFA/CRM)チームに分かれています(それとは独立してSREの人やデザインの人もいたり)。
両チームともスクラムをベースにしたアジャイル開発を採用しており、各々でレトロスペクティブなどのイベントを行っています。
人数の増加につれ、テックラボ内のイベントも徐々に形が変わっています。
例えば週に一回のテックラボ内ミーティングでは、各々のチームが開発状況などを共有していました。しかし、もっと良いやり方をということで、月に一回のビジネスサイドの人間もいる場でお互いのプロダクトを紹介する場に変わりました。
他にもチーム同士の交流は週に一度、個人が発表してそれを聞く勉強会、みんなで技術に関して時間をとり調査して話しあうスキルアップ会を行っています。
これらのイベントを通じて、チーム間のコラボレーションが図られるようにしています。
実際に最近、タレントエージェンシー支援システムチームの佐々木が作ったアーキテクチャを勉強会で発表し、それを聞いた竹内(@manbo34)が再利用してかなり低コストに新機能を作りました。
ただし、このやり方でコミュニケーションコストの高さに疲弊せず交流を図れるのも、10人前後の今の規模感だけだと思っています。
そこで、もう少し人が増えてきたら試してみたいのはSpotifyモデルです。
Spotifyモデルとは
大規模アジャイル開発手法のひとつです。
音楽配信サービスで有名なSpotifyが2012年に発表した働き方を模したものです。
3つの都市にまたがって、30以上のチームがひとつのプロダクトをアジャイルで開発しているSpotifyでは、従業員同士のコラボレーションとコミュニケーションコストの低減という、二つの相反する目的をどちらも追及するために複雑な組織構成になっています。
簡単に説明すると、Spotifyモデルでは機能毎に区切られた小さな分隊、分隊の集まりの部隊、フロントエンド、サーバサイドなどのレイヤ毎の集まりである支部、社内コミュニティのようなギルドが存在します。
Scaling Agile @ Spotify with Tribes, Squads, Chapters & Guilds - Crisp's Blog
https://blog.crisp.se/2012/11/14/henrikkniberg/scaling-agile-at-spotify
詳しくは以下の記事が参考になります。
Spotifyのスケーリングアジャイル – 部隊、分隊、支部やギルドと共に歩む | 『リーン開発の現場』越境せよ!
https://lean-trenches.com/scaling-agile-at-spotify-ja/
ただし、このような記事も出ているようにSpotifyは2020年現在、この形態では働いてないみたいです。
Spotifyは 'Spotifyモデル 'を使っていない - アジャイルよろず相談室 - Quora
https://jp.quora.com/q/agile/Spotify%E3%81%AF-Spotify%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB-%E3%82%92%E4%BD%BF%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%AA%E3%81%84
上記の記事で言及されている通り、サイロ化された組織で働くと人は個別最適に走る傾向があります。
例えば大規模アジャイル開発の手法の一つであるLeSSでは「多くの大規模なプロダクト開発グループでは、(自分たち個々の部品、タスク、専門領域ではなく、)プロダクト全体へ全員が焦点を当てるように仕向けることが、スクラムをスケーリングするに当たって最も難しい課題の一つになります」と言及しています。
プロダクト全体思考 - Large Scale Scrum (LeSS)
https://less.works/jp/less/principles/whole-product-focus
テックラボはSpotifyモデルを参考にしつつ組織作りをしていきます
それでは何故、Spotifyに所属していた人間が失敗と言及したモデルを参考にするのでしょうか。
私たちはビジョンドリブンの組織です。ビジョンに共感できる人のみを採用してます。
スタートアップのためになっているかどうかが判断基準であること、それがチーム全員の共通意識になっていることがうちのチームの強みです。
また私たちの特色として、エンジニアが要件を細部にわたり考えます。
タレントエージェンシー支援システムチームに関しては、明確にプロダクトオーナーを置いておらず、どういう機能が必要かをエンジニアが細部まで考え、実際に使うヒューマンキャピタリストへのユーザインタビューもエンジニアが直接行います。
社内のSlackでは現在の会社の状況を表す様々な数字が行き交い、そこにエンジニアがアクセスし、現在必要な機能を分析しています。
CTOの戸村(@KenjiTomura)の「自由や権限を与えることで働く人間はクリエイティビティを発揮することができる。しかし良い判断をするためには判断するための材料を持っていなければならない。そのために全メンバーが数字とか状況を理解する必要がある」という思想に基づいてます。
このように、Spotifyが乗り越えられなかったサイロ化にも、全員のビジョンが合致し全体の情報にアクセスできる集団でなら立ち向かえるかもとの期待があります。
拡大していく組織でビジョンに共感しつつ、良い組織を作っていきたい人募集中です!